四季の匂いが、妻と子どもたちを佐賀へ誘い戻しました

細田 皓一さん

細田 皓一さん

埼玉県みやき町

  • 移住種別Iターン
  • 移住の時期2024年
  • お仕事JAさが (自動車自賠責保険)
  • 休日の過ごし方 子どもたちと公園のハシゴ

佐賀県東部、福岡県との県境にある、みやき町。通勤・通学に多様な選択肢があり、静かで落ち着いた住環境も兼ね備えた、ファミリー層に人気のエリアです。
細田さんは、埼玉生まれの埼玉育ち。東京の会社に通って、埼玉に帰る。便利で不自由ない生活を愛しており、いずれは実家の家業を継ぐつもりでした。それがどうして、佐賀県へ。人生の転機となったできごと、考え方を、聞いてみました。

「公園のハシゴで、充実したストレスフリーの休日です」

-- 埼玉県は都市化が進む一方、エリアによっては豊かな自然も楽しめる環境ですよね。

細田皓一さん (以下、細田):そう、田舎暮らしできるようなところもあります。私が住んでいたところにも、山はあるし四季もあるし雪も降る。

-- それがどうして、佐賀県へ?

細田:妻はこっちが出身なんですね。福岡に転勤していた私の友人の紹介で出会って、結婚して、埼玉に来てくれることになって。そこまではよかったんですけどはじめての佐賀県外での暮らし、住み始めてみたら埼玉はやっぱり何か違ったらしいです。何が違ったかというと、妻の言い方では自然の「量」なんだと。

-- 量、と言いますと。

細田:私もこっちによく来るようになって、そうだなと思ったのはたとえば、四季の匂い。春の田んぼや夏の雨の匂い。妻はそういう匂いがあることが当たり前の環境で育ってきて、埼玉ではちょっと足りないぞと気づいてしまったようでした。都会に近いと、どうしてもコンクリートやアスファルトが多くなります。

-- ホームシック的な感覚になるんですかね〜、私の妻(伊万里市出身)も、東京に住んでいた時代は「山に行きたい」とよく呟いていました。でもどうでしょう、細田さん自身は、住み慣れた埼玉を離れ今まで縁のなかった九州佐賀へ移住するという選択は、かなり勇気が必要だったと思いますが。何が移住の後押しをしましたか。

細田:影響が大きかったのは妻の親族からのLINEですね。休日のたびに子育て情報が続々送られてきたんですよ。週末どこそこへ出かけた、渋滞がなくスイスイ移動できた、とか。都会に住んでいると、ちょっと広い公園へ遊びに行くにも一苦労。たとえば10時に公園に着くには、渋滞にかかる想定で7時起きで準備して。妻もそれに疲れていたのでしょう。

-- まるで仕事のようですね。

細田:ほんとに。片道2時間で移動して公園に着いたら着いたで遊具も混んでて順番待ち。お弁当を広げるスペースもなかなか確保できません。帰り道に子どもがトイレに行きたがったらサービスエリアに車を停めて、そこでもまた順番待ちです。せっかくの休日なのに、そんなことばかりでした。

-- 休日の時間の使い方は、都会と佐賀とではまるで違いますね。

細田:そうなんですよ。埼玉ではそれが当たり前と思っていたのに、佐賀時間というものを知ってしまったら、あれ、こっちの方がいいじゃんと思ってしまったわけです。
佐賀に移住してからは、子どもたちと公園をいくつもハシゴしますよ。走り回るならここ。遊具で遊ぶならここ。車移動の間におかしやおにぎりを食べさせて、それじゃこの公園では海を見ようか、みたいに。木の棒を振り回したり松ぼっくりを投げたりしたら、向こうだと「危ないからやめなさい」なんて言ってましたよね。でもこっちだと「ダメ」をあまり言わなくていい。

-- 公園が混み合ってないから。

細田:そう、空いてるからですね。親の気持ちにも余裕があります。

(貸切状態の遊具で。佐賀県のアプリやSNSを参考に、公園や公園周辺の飲食店を探しています。)

「家も広いし食事もいい、ここで子育てをしていきたいと説得しました」

-- 他に、佐賀っていいな、と感じたことを教えてください。

細田:家ですね。埼玉で家も買っていたんですよ。建売ですけど。一軒家でのびのび暮らすことができれば、急に埼玉まで連れて来られた妻の気持ちも多少はほぐれるかなと思って。そうしたら、同じ時期に妻の妹たちも佐賀で家を買ってたんですね。同じくらいの金額で、土地サイズは2倍。広々した庭があってBBQもできる。楽しそうに肉を焼いている写真をLINEで送ってくるわけです。都会では、家同士が近いから庭でBBQなんかできなくて、BBQしたいならまた遠くの公園へ荷物を運んで、道中は渋滞にあうのが確定です。私も父の影響でもともとアウトドアが好きな人間ですから、ああここも違うのか、佐賀はいいな、と思いました。

-- そのおうちはどうされたんですか。

細田:売却しました。それを元手に、佐賀で新しく家を建てる準備をしています。

-- 庭があって、BBQができて。

細田:子どもたちが走り回れて、夏は大きなプールを広げてね。広い空にかかる虹がふもとから見えたりして、飛行機雲も空の端から端までかかって。そんな景色の中で子どもたちはどんな成長ができるのか、楽しみです。夢を見てるような毎日になりますね。

-- 埼玉を離れ、遠く九州の佐賀へ移住する。大きな決断です。反対された方はいましたか。

細田:うちは再婚同士の夫婦で一番上のお姉ちゃんは12歳まで佐賀で暮らしていました。それもあって家族会議は満場一致でしたね。相手方の親族も妻や子どもたちが帰ってきて喜んでくれました。一番ネックだったのは私が長男だったことです。実家は不動産管理の家業があり、両親も自分自身も、いつかそれを私が継ぐのだと思って生きてきましたから、じゃあ急に佐賀へ行くとか、そんなこと言いはじめて家業はどうするんだと一悶着がありました。両親を説得するのに2年かかりました。佐賀にも呼びました。自然がいっぱいある。空が広い。住む場所にもゆとりがある。食べ物もいい。こういうところで生活したい、子育てしていきたいんだと伝えました。最終的には、孫のためなら。家業は弟に手伝ってもらいつつ私は遠隔で協力できることを。ということでまとまりました。

-- 移住してからのお仕事はどう変わりましたか。

細田:あちらでは新卒では不動産営業。転職した後は高速道路の交通管理隊で勤務しました。いわゆるパトロール隊員の仕事ですが、気に入ってました。首都高の上では毎日想定外のことが起きるんですよ。犬や猫が入り込んだり、人が歩いていたり、事故もありますしね。

-- いまはどんなお仕事をされていますか。

細田:いまは、さが移住サポートデスクから紹介していただいたJAさがで自賠責保険の仕事をしています。JAさが管内にある中古自動車屋さんなどをぐるぐる回って、その土地土地のグルメを味わうのも楽しいですね。

-- 仕事が変わって、暮らし方は変わりましたか。

細田:仕事内容が大きく変わったのはもちろんですが、朝昼夜と、家族みんなでごはんを食べられるようになったのはいいですね。埼玉では朝5時半に起きて準備して、電車を3つ乗り継いで会社に行ってたんですけど片道2時間弱かかってました。「今から帰るよ」とLINEしても、それなら21時過ぎるだろうから夜ごはん先に食べてるね。といった調子です。こっちの人はみんな通勤時間短めですよね。15分、20分とか。だから1日の中で家族との時間は多くとれるようになりました。

-- 食卓の風景は変わりましたか。

細田:移住前後で食卓に並ぶ食材は大分変わったような気がしますね。私もそうでしたけど、佐賀にはじめて来た人はスーパーの野菜で驚くんですよ。でかいし、うまいし、安い。アスパラ、トマト、レンコン、いちご…佐賀にはたくさんの名産品があって、産地の価格で購入できますし、近所の方から「どうぞ」とお裾分けいただくこともあります。埼玉では手を出せなかったような食材も普通に食卓にあります。あとはJAに勤めているからというわけではありませんが、米なら日本全国の中でもダントツで「さがびより」をオススメしたいですね。日本穀物検定協会の「米の食味」ランキングで常に最高ランク評価。埼玉に住んでいた時代から取り寄せしていました。子どもたちの食べる勢いが違います。

(近所の田園風景にかかる虹。季節になれば蛍も舞います。毎日の散歩やサイクリングもいい気分です。)

「移住の情報収集には、佐賀県のサポートを激推し!」

-- 移住を決めてからはどう動きましたか。

細田:移住は2年計画でした。家を売らないといけないし、実家の両親を説得しないといけない。一番上のお姉ちゃんは高校卒業後の進学を控えているし、下の子は幼稚園に上がる。妻の妊娠があって病院も探さないといけない。住む場所を探して転職の面接にも行かないといけない。他にもいろいろあってそれ全部を乗り越えないと移住ができないので、とにかく大変でした。だからこそ精力的に、情報収集に動きましたね。

-- 私もゲスト参加した移住イベントでお会いしました。

細田:東京有楽町のふるさと回帰支援センターで開催された佐賀県の移住イベントにも、5〜6回は参加しました。たくさん情報を集めたかったので。その間、県の移住サポートデスクの方々には本当によくしていただきました。転職の際の相談も親身になって寄り添っていただき、就職先企業を紹介してもらいました。参加したイベントでも、個人的な相談でも、お会いするたび親身な方が多くて、「こんなにも佐賀が好きなのか」と佐賀愛に驚かされることもありました。

-- では最後に、これから移住を検討している方にアドバイスをお願いします。

細田:情報源として、県のサポートを使ってほしいですね。東京有楽町にある移住サポートデスクでも随時相談できますし、さが移住サポートデスクもリモートやメールでの対応もしっかりしていただけます。住む場所、働く会社を選ぶにしても、そんなに何回も現地訪問できない中で、1つ1つ壁を乗り越えるため、適切な方に繋いでいただき、適切なサポートを受けられたことに感謝しています。

-- 2年もの検討期間、ずっと寄り添ってくださったのはありがたいことでしたね。細田さん、今日は貴重な休日にお付き合いいただきありがとうございました。移住者同士、またこうしておしゃべりしたいですね。

細田:はい、なかなか仕事以外で新しく人に出会う機会は少ないのでぜひお願いします。 移住者同士で集まりましょう。

(佐賀は日用品も通販より安い、と力説する細田さん。)

文章:いわたてただすけ
写真:いわたてただすけ / 細田皓一

公開日:2025年03月31日
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