転機は「お試し移住」。フルリモートで働く20代女子の佐賀移住ライフ

石山 桃子さん

石山 桃子さん

三重県上峰町

  • 移住種別Uターン
  • 移住の時期2023年
  • お仕事環境コンサルタント(フルリモート)
  • 休日の過ごし方 野鳥観察、友人と飲み歩きなど

「移住してみたいな~」と考えるとき、色んな理想の中に不安に思うことも浮かんでくるのではないでしょうか。
穏やかな環境のなか大好きな祖父母の近くで生活がしたいと思い、三重から佐賀へ移住を決めた石山さん。移住する前は「友だち作り」に不安を抱いていたようです。実際に「うまく交流の輪を広げられない」という声を、特に単身で移住した若い人から多く聞くことがあります(新卒で佐賀に移住した筆者も悩みました)。
そんな石山さんに移住のきっかけや佐賀での暮らし、そして気になる「友だち作り」の方法について伺ってみました。

「友だち作り」への不安はお試し移住で解決。

-- まずは、移住を考えたきっかけを教えていただけますか?

石山桃子さん(以下、石山) :都会の喧騒から離れたいと思ったことです。名古屋にある職場の周りは人が多くて、自分には賑やかすぎるなと感じていました。少し体調を崩したこともあって、「私にはもう少し穏やかな環境で生活する方が合ってるな」と思ったのがきっかけです。ちょうど新型コロナの流行で会社のリモート率が上がっていたこともあり、「今だ!」と思って移住に踏み切りました。

-- 移住先として佐賀を選んだきっかけは何だったのでしょうか?

石山 :祖父母が佐賀にいたからです。私、おじいちゃん、おばあちゃん子なので一緒に過ごす時間をもっととりたいなと思って。父の仕事の都合で三重に住んでいましたが、実は私自身生まれは佐賀で、大学・大学院も佐賀大学に進学したんです。なので全く縁がなかったわけではありませんでした。「すごく穏やかで、いいところだったな」というのを思い出して、佐賀を選びました。

-- 移住するにあたって「お試しテレワーク移住補助金」を利用されたそうですが、どのようにして見つけたんですか?

石山 :インターネットです。移住に関して色々と調べていたときに、自治体によっては移住のための補助金を出していることを知りました。佐賀が移住先の第一候補だったので、佐賀の場合はどうだろうかと調べると、お試しで短期間の移住体験ができる「お試しテレワーク移住補助金(※)」を実施していると分かったんです。
ただ学生時代の友だちの多くが佐賀県外に出てしまっていたこともあり、移住前は気軽に飲みに行けるような友だちができるかという点が不安でした。事前に移住体験ができるところに魅力を感じて使ってみることにしました。

※お試しテレワーク移住補助金:佐賀県内へのテレワーク移住を検討されている方に対し、お試し移住の体験費用の一部を補助する制度。

-- 移住先でうまく交流の輪を広げられるか、というのは大きな不安要素ですよね。私も移住者なのでとても良く分かります...。実際に制度を使ってみていかがでしたか?

石山 :本当に使って良かったなと思います。フルリモートで仕事をしながら1か月半、佐賀に滞在しました。テレワークの拠点としてまず、佐賀市の山間部にある「音無てらす」を選びましたが、そこのオーナーさんである山本さんは顔が広く、佐賀への移住を考えていることを伝えると、音無てらすの利用者さんを紹介してくださったんです。それをきっかけにたくさん友だちができて、移住に対して抱いていた不安が解消されました。体験期間が終わった瞬間に「あ、もう佐賀だ」と、迷いなく移住を決められましたね。

(移住の恩人だというコワーキングスペース「音無てらす」のオーナー山本さん(写真左)。)

-- 即決だったんですね。会社に佐賀への移住を伝えた時は驚かれたんじゃないですか?

石山 :はい、びっくりしてました。新型コロナでテレワークは浸透していましたが、フルリモートで、しかも九州から働く人は社内にはいなかったので、私がパイオニア的な存在ですね。でも「一度きりの人生だから、石山さんの後悔がないようにしたらいいよ」と背中を押してくれました。とてもありがたいです。

-- とても温かい素敵な会社ですね...!フルリモートは初めてということでしたが、実際に働かれてみて困ったことはありませんでしたか?

石山 :同僚とのコミュニケーションの取り方については悩みました。何気ないおしゃべりや、社内の空気感などが分からなくなってしまって。どうしようかなと考えていたとき、「何気ないことでも電話しちゃおう!」と思いついて、仕事の受注が取れて嬉しかった時や、業務以外の雑談、ちょっとした愚痴など、些細なことも電話するようにしました。
また新型コロナの流行でテレワークが浸透し始めてからは、社内でもコミュニケーション不足の解消や勤怠管理をするために、業務中はZoomでつなぐようになっていました。それもあって、コミュニケーションは取りやすくなったと思います。

-- 常にZoomでつながっているんですか?

石山 :そうなんです。音声は話すときだけつけますが、画面は常にオンにしています。私は鳥を飼っているのですが、家の中では放鳥しているので肩の上に乗ったり、息抜きに戯れたりしているところは結構見られています。猫を飼っている社員の方は画面の前を時々猫が通過したり。比較的自由な雰囲気です。

(普段は家でお仕事されているそうですが、今でもたまに音無てらすを活用されているそう。)

休日は「佐賀ならでは」の体験で、充実した移住ライフ。

-- では、移住してみて感じた佐賀の印象を教えてください。

石山 :学生時代も佐賀で過ごしましたが、その時とは印象が大きく変わりました。学生時代は「佐賀ってなんもないよね」という言葉をよく耳にしていました。遊びに行くときも福岡や長崎、熊本が多くて佐賀にはフォーカスが当たっていなくて「佐賀ってそういう存在なのかな」って思っていました。でもお試し移住で「佐賀が好き!」「佐賀にはこんないいところがあるんだ!」と熱弁してくれる人とたくさん出会って。
学生時代は意識してなかっただけかもしれませんが、今までは「佐賀出身」というのを恥ずかしがっているという印象だったのが、堂々と佐賀への愛を語る方が多くなったように感じて嬉しくなりました。「言えなかったけど私も本当は佐賀が好きなんだよ!」と思っていたので。

-- プライベートはどんな風に過ごされていますか?

石山 :お試し移住でつながった友だちと過ごすことが多いですね。最近は飲み歩きを良くします。居酒屋さんが並んでいるので、佐賀駅に新しくできた「サガハツ(※)」にはよく行きます。オールして朝帰りしたり...。あとは佐賀が地元の友だちが多いので、「佐賀ならでは」の体験に連れて行ってもらったりしています。白石町でレンコン掘り体験をしたり、小城市で鯉料理を食べたり、唐津市の離島に行ってみたり。
移住するまではインドア派でよくゲームをしていたんですが、色んな所に連れ出してもらうようになったおかげでゲームが進められないくらい休日が忙しくなりました。三重にいたときより遊ぶ機会が増えたので、収支のバランスは崩れているんですけど...。今とても幸せです!

※サガハツ:佐賀駅高架下西側に2023年オープンした商業施設。佐賀の魅力を発信する『さが発』、佐賀に初めての魅力をつくる『さが初』をテーマに飲食店などが並ぶ。

-- 移住前の悩みが完全に解消されていますね。ただ、同じように友だち作りに悩んでいる移住者の方は多いと思います。石山さんはどんなことを心がけていましたか?

石山 :深く考えすぎないようにしました。もともと人見知りだったこともあり、今までは「一人だから行くのやめとこうかな」とか「人とのコミュケーション取れるか心配だからやめようかな」と色んなことを考えて行動を制限していたんです。でもお試し移住を体験するときに、「失敗してもこの一回限りだから、ガンガンいっちゃおう!」と積極的に行動するようにしました。自分から頑張って話しかけたり、遊びに誘われたらとりあえず行ってみたり。おかげで交流の輪は広がったと思います。佐賀はフレンドリーな方が多いので、私も壁を作ることなくコミュニケーションが取れています。

自然豊かな山暮らしを叶えるために。

-- 今後も佐賀に住み続けられる予定ですか?

石山 :はい。でもいつかは山間部に住みたいなと思っています。今は佐賀県東部の上峰町という平野部に住んでいるのですが、やっぱり山の方が大好きな野鳥の種類が豊富なので。あと、飼っている鳥にも自然を感じてもらえるような暮らしがしたいなと。静かな自然な音がすごく落ち着くというのもあって、今は将来の山暮らしのための情報収集をしています。

(野鳥観察が趣味だという石山さん。この日も、よく訪れるという「さが水ものがたり館」でどんな鳥が見られるか教えてくれました。)

-- 早速情報収集をされているんですね。具体的にはどんなことを?

石山 :実際に足を運ぶというより、まだ色んな人に話を聞くということをしています。山暮らしに詳しい人を友だちから紹介してもらって、「実際に山暮らしってどうですか?」と聞いてまわっています。そうすると空き家が全然なかったり、あってもすごい修繕が必要だったり、リアルな情報が聞けるので。自分のライフプランや現実的な金銭面を考えても、実際に行動に移すのはもう少し先かなと思います。

-- では最後に、移住を考えている方に向けてのアドバイスがあれば教えてください。

石山 :テレワーク勤務が可能な方で佐賀に移住を考えている方は、絶対に「お試しテレワーク移住補助金(※)」を活用した方がいいと思います。移住先で仕事をしながら生活する、具体的なイメージができるからです。私の場合、山間部に住みたいという夢がありましたが、お試し移住をしてみて、本当に山で働いていけるのか、音無てらすで体験ができたので。電話が通じないときがある、雪が降ったら下山できない、信じられないくらい大きな虫が出るなど、色んな情報を得ることができました。引っ越してからじゃなくて、事前に体験ができて情報を知れたのは良かったなと思います。

-- 貴重なお話をありがとうございました!

インタビューを終えて

石山さんにインタビューをするなかで、筆者も2年前に移住したときのことを思い出しました。家族も親しい友だちもいない土地での新生活。大きな不安とともに緊張しながら佐賀空港に降り立ったのを覚えています。もしそこに「お試しテレワーク移住補助金(※)」という選択肢があったなら、迷わず使っていたと思います。「友だち作れるかな?」「地域に馴染めるかな?」という不安が解消できれば、もっとストレスなく移住できていたはず。
佐賀へのテレワーク移住を検討されていて「友だち作り不安だな~」と思っているあなた。ぜひ「お試しテレワーク移住補助金(※)」を活用されてみてはいかがでしょうか。

【※お試しテレワーク移住補助金】
~令和5年度の受付は終了しております~
テレワーク勤務が可能な本県への移住検討者を対象に、佐賀県内でのお試し体験費用の一部を補助する制度です。(利用に際しては諸条件がございます)
令和6年度の実施については、令和6年4月頃に以下のホームページでお知らせ予定です。
https://www.sagasmile.com/support/trial_telework

またコワーキングスペース「音無てらす」にご興味のある方は、こちらもチェックしてみてください。
https://otonashi-terrace.localinfo.jp/

文章:堀江恵
写真:野田尚之

公開日:2024年03月08日
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